11ダミー

個人再生で同居人や家族の収入証明書は必要なのか?作成方法は?

債務整理の中でも、個人再生は借金の減
免幅が大きく、十分の一から五分の一
減らすことができます。

しかもペナルティは自己破産に比べて非
常に少なく、利用価値のある債務整理の
筈なのです。

しかし、実際には個人再生の利用者は
決して多くはない、というのが実状
です。

その理由は、必要とされる書類がやたら
多く、揃えたり書いたりするのが大変、
ということがあります。

もう一つの理由は、履行テストという
面倒なシステムがあることでしょう。

同居人(家族)の収入証明書も必要とさ
れる場合があり、同居人(家族)に知ら
れないように債務整理をするのは困難です。

そこで今回は、個人再生で同居人(家族)
の収入証明書はどんな場合に必要なのか、
更には必要書類にはどんなものがあるかを、見ていきましょう。

個人再生で同居人(家族)の収入証明書は必要か

個人再生で必要になる書類は、一読
唖然とする程多数あります。

では、個人再生で同居人(家族)の収入
証明書が必要とされるのは、どのような場合でしょうか?

個人再生で同居人の収入証明書類が必要
になるケースは、生活のために必要なお
金を、同居人に依存している場合です。

個人再生の目的は、債務者の生活再生で
すから、裁判所はそれが現実的に可能か
どうかを、確実に判断しなけれはなりません。

その判断材料のために、債務者の
収入の状況を詳しく知る必要があるのです。

  1. 再生計画に沿った弁済ができる見込みがあること
  2. 将来も継続して収入を得られる見込みがあること
  3. 借金が5000万円以下の人
  4. 個人の債務者であること

これが個人再生の条件です。

個人再生では、減免された借金を、
通常は3年で返済していきます。

残りが180万円なら、月に5万円ずつ返済
することになります。

その5万円+生活費を支払えるだけの収入
があると判断されれば、「継続的な収入
があること」の項目はクリアされたことになります。

その際に、例えば同居人(家族)が四分
の一を出しているとすると、その同居人
(家族)の収入の詳細も、裁判所に申告することになります。

それ自体は、単に少しばかり面倒くさい
というだけで、大きな支障にはなりません。

しかし、同居人(家族)に債務整理をし
たことを知られたくない場合は、非常に困りますね。

個人再生では、実際の判断は個人再生委員
による所が大きいのです。

個人再生委員は、裁判所の管轄地区の
弁護士から選任されます。

この同居人(家族)の収入証明書につい
ても、その個人再生委員により、
判断は大きく異なります。

おおよその金額でもOKの個人再生委員も
いますし、一円単位の細かい給与明細な
どの書類の提出を求める人もいます。

後者の場合は、家族に知られないように
というのは、難しいでしょうね。

なぜなら、個人再生では、同居家族の
全体の家計収支表や過去2か月分の
給与明細が必要だからです。

さらに、同居人に収入がある場合、
過去2か月分の収入証明書の提出が求められます。

収入証明書となるのは、給与証明書、
源泉徴収票、課税証明書、確定申告書の控えなどてです。

原則として、収入証明書は収入を得ている
本人が取得しなければなりません。

代理人が取得する場合には、委任状が必要になるのです。

というわけで、家族に秘密で収入証明書
が必要なら、こっそり持ち出すか、何か
理由をつけて証明書をもらってもらうしかなさそうです。

個人再生の必要書類とその作成方法は?

個人再生で必要な書類は、場合によって異なります。

どの書類が必要で、どの書類が不要かは、
自分ではまず判断できないので、弁護士
に確認するべきでしょう。

個人再生に必要な書類はこのようになります。

  1. 申立書
  2. 陳述書
  3. 債権者一覧表
  4. 財産目録
  5. 家計収支表
  6. 委任状
  7. 事業収支実績表
  8. 弁済許可申立書
  9. 再生計画案
  10. 弁済計画表
  11. 可処分所得算出シート
  12. その他にも、添付が必要な資料あり

作成方法ですが、自分でできるのは財産
目録、債権者一覧表、家計収支表位でしょう。

財産目録とは、どれたけの財産があるかを記した書類です。

債権者一覧表とは、借入先の債権者の情報を一覧にした表です。

借入先の名称や住所、借入金額や連絡先などを書きます。

家計収支表とは、申立人の家庭全体の、
2ヶ月分の収入と支出の表のです。

書き方は家計簿とほぼ同じでよいでしょう。

後は素人が自分でできるようなものでは
ありませんので、
弁護士にお願いしましょう。

4種ある債務整理の中でも、任意整理や難
しくはありますが自己破産は、自分でする
こともできます。

事実、自己破産を自分でやった人もいるのです。

しかし、この個人再生は自分でやるのは、
まず無理でしょうね。

続いて個人再生申立に必要な添付書類の一覧です。

  1. 戸籍謄本(裁判所による)
  2. 住民票
  3. 給料明細書
  4. 退職金見込み額証明書
  5. 所得課税証明書
  6. 通帳のコピー
  7. 自動車所有者の場合は車検証のコピー
  8. 登録事項証明書
  9. 年金通知書
  10. 保険証書
  11. 解約返戻金証明書
  12. 不動産所有者 固定資産評価証明書
  13. 賃貸住まい 賃貸借契約書
  14. 更新契約書
  15. 換金価値のある財産がある場合は査定書
  16. 返済予定一覧表
  17. 間取り図
  18. ローンの契約書

はぁ・・・

疲れた・・・

これらの添付書類は集めるだけでも一苦労です。

個人再生の大変さがわかりますね。

個人再生は怖い?

ここまで、個人再生で同居人(家族)の
収入証明書や、その他の必要書類につい
て書いて来ました。

個人再生という債務整理は、確かに借金
の減免幅は自己破産を別にすれば最も大
きく、十分の一から五分の一になります。

しかし、その減免幅の大きさにも関わら
ず、利用者数は必ずしも多くはないのです。

その理由は色々考えられますが、一つに
は利用の際の条件そのものは、それほど
厳しくないのに、実際に行うとなると、様々な困難があるからでしょう。

非常に多種多数の書類を用意しなければ
ならない、というのもその困難の一つです。

さらには、履行テスト(履行可能性テスト)
という難しい問題があります。

履行テストとは、「将来において、継続
して収入を得られる見込みがある人」と
いう条件が満たされているかをテストするものです。

これは弁護士の中から選任された、
個人再生委員が指定する口座に、
再生計画と同じ金額を振り込んでいくのです。

毎月1回ずつ6ヶ月にわたり、この振り込みを行います。

そして、6ヶ月間返済が滞らなければ、
試験は合格となります。

途中で返済出来なくなれば、
認可(免責)は降りず、
個人再生はできなくなります。

なお、振り込んだお金は実際の返済に充
当されますが、落第の場合は返還されます。

但し・・・

弁護士に依頼している人は15万円、依頼
していない人(自分でやる人)は25万円
差し引かれます。

只でさえ返済でお金に余裕がない時に、
15万あるいは25万というお金をテストの
ために支払えというのは、かなり酷なシステムだと思います。

50万、60万程度ですと返済額を
10万円にして貰うためには、15万円から25万円
を支払わなければならないというのは、納得できません。

一見有利に見える個人再生には、このよ
うな怖い面もあることを、お忘れなく!

結び

個人再生で同居人(家族)の
収入証明書類が必要になる場合があります。

それは、生活のために必要なお金を、
同居人に依存している場合です。

個人再生での最も重要な条件は、
「再生計画に沿った弁済ができる見込み
があること」です。

その判断材料のために、債務者の
収入の状況を詳しく知る必要があります。

これが収入証明書類が必要になる理由です。

個人再生は確かに有利な債務整理ではあります。

しかし、同居人(家族)の収入証明書類
その他膨大な書類が必要なこと、
履行テストがあることが、大きなネックになっています。