自己破産

自己破産の裁判所面接は何を聞かれる?押さえておくべきコツは?

自己破産は、どうやっても返済出来ない
借金を背負ってしまった時に、その借金
をゼロにできるという制度です。

これは債務整理という、借金の減免制度
の一つで、裁判所に申し立てをして、
認可されれば借金は免除となります。

いわば合法的な借金の踏み倒しですが、
その代わり各種のペナルティもついてきます。

自己破産の手続には、お金と手間がかか
る管財事件と、遙かに簡易で手間もお金
も少なくて済む同時廃止事件の別があります。

そしてどちらにせよ、裁判所での面談
必要になります。

裁判所、裁判官、出頭などという言葉は、
怖いものの代名詞
ですよね。

そこで今回は、自己破産の裁判所での
面談では、どんなことを聞かれるのか、
注意する点などを見ていきましょう!

自己破産の裁判所面談は何を聞かれるの?

冒頭で書いたように、自己破産では
原則として借金は無くなります。

そしてその手続きには、
管財事件と同時廃止の2種類があります。

管財事件では、免責が不許可になる事由
の有無や、債務者の資産を調査して債権
者に配当するための破産管財人が裁判所により選任されます。

同時廃止は、債務者に債権者に配当する
財産がない場合に行われます。

自己破産手続を、
開始と同時に終了させるという
ところから、同時廃止と呼ばれています。

実際には、個人の場合は同時廃止が圧倒的に多いのです。

その理由は、時間も費用もかからず、
手続きも簡単ということからです。

そしてどちらの手続きでも必ずあるのが、
裁判官との面談です。

同時廃止では裁判官の面談のみですが、
管財事件では破産管財人との面談もあ
り、債権者集会という債権者との会談もあります。

裁判官との面談の内容ですが、裁判官か
らは、借金の内容や借入の原因など、
これまでの経緯を尋ねられます。

又、現在の資産の内容や金額、収入は
継続して得られるかなどの質問もあるでしょう。

また、裁判官によっては、自分の負債が
幾らあるのかを把握しているか、という
基本的な質問をすることもあるのです。

このような点も、予め陳述書などを読み
直しておいて、しっかりと把握しておきます。

さらには、免責不許可事由が疑われる事
情があれば、その詳細についても聞かれることと思います。

これらの質問への返答は、
必ず正直に嘘偽りなく答えましょう。

これが最も大事な点です。

事情を隠そうとして、説明が矛盾して怪
しくなってしまうと、調査のために管財
事件に変更されたりする恐れもあります。

たとえ、ギャンブルなどの免責不許可事
由に当たる問題行動があったにしても、
事実をそのままに説明しましょう。

そして、今は更生していることをしっか
りと説明し、借りたお金を踏み倒すこと
についての反省なども、自分の言葉で話します。

また、提出した陳述書などと矛盾しない
よう、あらかじめ提出書類を読み直しておくべきです。

この面談は、通常は15分程度で終わる簡
単なものなので、
恐れる必要は全くありません。

もうひとつ、始めて裁判官との面談をす
る人には、裁判官は怖いのかという点も
気になると思います。

しかし、裁判官や破産管財人に冷たい印
象があっても、心配はいりません。

裁判官や破産管財人はあくまで中立の立
場ですので、債務者を励ましたり、同情
的な言葉をかけたりすることはできないのです。

裁判所としては厳正中立の立場から、
債務者債権者のどちらか片方を応援
することはありません。

裁判所面談の注意点は?

裁判所面談を行う場所は、
住所を管轄する地方裁判所です。

この住所は実際に住んでいる場所で、
住民票の住所のある場所ではありません。

裁判官や破産管財人との面接の時には、
どんな服装で行けば良いのか、
迷う人は多いようです。

裁判官面談の服装に関しては、
特に指定や決まりはありません。

強いて言えば「社会的常識の範囲内」
という所でしょうか。

相手の裁判官は、通常はスーツにネクタ
イですが、こちらもスーツにネクタイで
なければいけない、ということでもないようです。

暑い盛りならばポロシャツや半袖シャツ、
Gパンやコッパンもありです。

ちゃんとヒゲを剃り、髪も整えていれば、
ごく普通の外出時の服装で問題はありません。

通常の外出時に、他人に不快感を与えな
い服装を考えれば、良いかと思われます。

不潔だったり、とびきりギンギラギンの
恰好でなければ、特に問題はないでしょう。

女性なら、シンプルでおとなしめのワンピース
などでも良いかと思います。

とはいえ、一番無難なのは、やはり
スーツにネクタイでしょうね。

それと、こちらは「自己破産する立場」
ということを、忘れないようにしましょう。

高価な毛皮やブランド品、金や宝石類
などのアクセサリーは、
身につけて行かない方が無難です。

要は相手(裁判官や破産管財人)が見て、
 不快感や嫌悪感を感じないものであれば、
なんでもよい、ということになります。

面談の際に問題になりそうなのは、自己
破産に至る原因が、ギャンブルや過度の
買い物(買い物依存症)などの場合です。

宝くじの購入しすぎや株式投資やFX投資
も、その対象になることがあるようです。

通常なら、宝くじや株の投資、FXなどは
ギャンブルとは見なされません。

しかし、裁判所では短期的な投資につい
ては、普通より厳しくみることが多い
ようなのです。

また、財産隠しなども、免責不可の原因になります。

これらが原因での自己破産は、
免責不許可事由に該当すると見なされ、
免責がおりない場合もあります。

これについての質問には、自分に不利な
ことでも正直に答え、
決してウソは言わないようにしましょう。

既に自己破産の申し立ての際に、それら
の事実は知られているのですから、
今更ごまかすのは不可能です。

嘘をつけば、必ず裁判官の心証は悪くなります。

それよりは、正直に事実を認め、その上
で反省と今後は決してそのようなことは
しないという気持ちを話すべきでしょう。

裁判官には「裁量免責」という権限があります。

これは、たとえ免責不許可事由に該当す
る場合でも、破産者に反省の気持ちが認
められれば、裁判官独自の判断で免責が認められる、というものです。

それにより、免責がおりることもあります。

むろん「こともある」であり、必ずおり
るというわけではありません。

面談なしにできる?

裁判所というと、怖い所という印象が
一般的ですね。

やはり、「できれば行きたくない!」
思う人が多いはずです。

では、自己破産の場合、
裁判官面談なしで済ますことは、
可能なのでしょうか?

弁護士に依頼せず、自分で自己破産を行
う場合は、
1度も出廷しないで済ますことは不可能です。

必ず1回以上は出廷して面談を行うことになります。

弁護士に自己破産の手続きを依頼した場
合の面談回数は、

  1. 同時廃止:1回(免責審尋)
  2. 管財事件:2回(免責審尋と破産管財人との面談)

というのが通常です。

破産管財人との面談で聞かれることは、
審尋の時とほぼ同じですが、時にはより
突っ込んだ細かいことも聞かれる場合があります。

この場合の返答も、裁判官の審尋と同様
正直に嘘偽りなく答える必要があります。

また、裁判官ではありませんが、債権者
集会という債権者との会談もあります。

面談の回数などについては、地方裁判所
によって違いが大きいのです。

裁判官との面談では、例外として
病気や怪我で入院中の場合があります。

そのような場合には、弁護士がその旨を
裁判所に申請することで、
裁判所への出頭を免除してもらえることもあります。

結び

裁判官との面談で聞かれる内容ですが、
借金の内容や借入の原因など、
これまでの経緯を尋ねられます。

又、現在の資産の内容や金額、収入は
継続して得られるかなどの質問もあります。

また、裁判官によっては、自分の負債が
幾らあるのかを把握しているか、という
基本的な質問をすることもあるようです。

さらには、免責不許可事由が疑われる事
情があれば、その詳細についても聞かれ
ますす。

裁判官との面談の注意点としては、
必ず正直に嘘偽りなく答えましょう。

また、服装などは社会常識の範囲内であ
れば、とくに定められたものはありません。

暑い季節なら、ポロシャツや半袖シャツ
でも問題はありません。

また、面談は弁護士なしの場合は、
1度も出廷しないで済ますことは不可能です。

必ず1回以上は出廷して面談を行うことになります。

面談の回数は、通常1回又は2回です。