借金

借金を払えなくて滞納するとどうなる?手遅れになる前に考えるべき事は?

借金をしても、月々の返済が滞りなくで
きるなら、問題はありません。

しかし、たまたま支払いの限度を越える
借り入れをしてしまったとか、怪我や病
気で仕事ができなくなった、という場合もあります。

そのような場合には返済は滞納すること
になってしまいます。

この滞納(延滞)が続くとどうなるのでしょうか?

金融業者も商売でお金を貸しているのです。

それが回収できないと、業者の方も干上
がってしまいますので、なんとか貸金を
回収しようとします。

その結果、裁判所からの通知が舞い込み、
差し押さえ!となります。

今回は借金を払えなくて滞納するとどう
なるのか、差し押さえ(強制執行)を防
ぐにはどうしたらよいかを、見ていきましょう。

借金を払えなくて滞納するとどうなる?

借金を払えなくて滞納すると、まず督促
の連絡があり、そのまま延滞を続けると、
最終的には差し押さえ(強制執行)となってしまいます。

その流れはこのようになります。

  1. 督促の電話や通知がある
  2. 自宅を訪れての督促がある
  3. 差押予告通知(借金の一括請求書)が送られてくる
  4. 裁判を起こされる
  5. 裁判所から支払督促(特別送達)が送られてくる
  6. 強制執行(差し押さえ)が行われる

まず督促の電話や通知があり、
やがて自宅を訪れての督促があります。

それでも返済を行わないと、
「差押予告通知(借金の一括請求書)」
が送られてきます。

これは内容証明郵便で送られてきます。

この段階では、長期滞納により借金の
分割払いができなくなってしまうので、
残金の一括請求になってしまいます。

金融業者からの「差押予告通知」は
「数ヵ月で差し押さえの手続きに進みますよ」
という意味になります。

この通知は、借金を滞納してから2ヶ月~
3ヶ月程度で送られて来ます。

しかし、借入先の業者から届く差押予告
通知は、あくまでも「早く返さないと強
制執行(差し押さえ)をする」という、「通知」です。

これ自体には
差し押さえの効力はありません。

借金の返済をするつもりであれば、
この時点がリミットです。

これを過ぎれば、個人再生や自己破産な
どの債務整理も出来なくなる可能性もあります。

裁判所からの支払督促(特別送達)は、
「2週間後に差し押さえが実行されます」
という、予告です。

特別送達とは、
本人以外は受け取れない
郵便物の特殊取扱です。

これは裁判所が訴訟関係者などに
送付する場合に用いられます。

この特別送達は受け取り拒否はできず、
拒否した場合は配達人はその場に置いて
いくことで送達は完了したとされます。

裁判所からの支払督促(特別送達)来た
時には、一刻を争い弁護士に相談すべきです。

それでもこの時点では、債務整理も間に
合わない可能性は大です。

そして最終段階が強制執行(差し押さえ)の実行です。

これが行われてしまえば、もうどうする
こともできません。

裁判で判決が出ると、債務者から
財産を差し押さえられてしまいます。

差し押さえ(強制執行)とは、返済を行わ
ない債務者に対して、裁判所の力で、
強制的に資産や財産を回収・換金するための手続きです。

要するに、「債権者が裁判所の力で、
債務者の財産を取り上げてしまう」
という事になります。

差し押さえの対象は、家や土地、車、
高価な宝飾品や家具、債券類も入ります。

債権には、預貯金や生命保険の解約金
も含まれるのです。

家も車も差し押さえられるのです。

給与さえ差し押さえられて、会社から
直接、支給前の給与を回収される場合もあります。

そうなると、
勤務先にも大変な迷惑をかけてしまいます。

法律で保護される「差し押さえ禁止」の
財産は、2ヶ月分の生活費程度しかありません。

そうなる前に、3の差押予告通知の段階で、
専門家に相談すべきでしょう。

差し押さえ(強制執行)を防ぐには?

それでは、差し押さえ(強制執行)を防
ぐにはどうしたらよいのでしょうか?

もっとも良い方法は、業者からの「差押
予告通知」が届いた時点で、
滞納分の借金と遅延損害金を一括返済することです。

しかしこれは、現実には不可能でしょう。

そもそも返済するお金がないから滞納し
ているので、それを一括返済などできる
わけがありません。

返済額が100万円で遅延損害金利率20%
の場合には、

  • 2ヶ月間延滞 100万円×20%÷365×60 日=約3.2万円の遅延損害金
  • 1年間滞納 100 万円×20%÷365×365 日=約20万円の遅延損害金

となります。

既にこれだけの遅延損害金が発生してい
るのですが、返済が遅くなると
更に遅延損害金が増えていきます。

これにプラス元金となると、
とても払えるものではありません。

といって別の業者からお金を借りる
という方法は、仮にお金を貸してくれる
業者があったとしても、解決にはなりません。

もっと悪い状況で同じことが繰り返され
るだけです。

どこかで、この悪い流れを断ち切ること
を決断しなければならないのです。

それが債務整理です。

債務整理には「任意整理」「特別調停」
「個人再生」「自己破産」の4つがあります。

それぞれのメリット・デメリットは
以下のようなものです。

任意整理では、
貸金業者などの債権者と直接交渉します。

特別調停では、裁判所の調停委員が調停し、
業者と話し合います。

それにより、「返済期間の延長」や「利息
カット」、月々の返済額を軽くする交渉するのです。

業者との自由な交渉ができますが、
問題点は相手が
断る場合もありうるという点です。

また、大幅な利息カットなどの減免は困
難なので、減額の幅は、下記の2つよりは
小さくなります。

弁護士や司法書士に相談すれば、
その交渉もやってくれますが、
当然有料となります。

個人再生とは、
裁判所の許可を得て、借金残高を
原則5分の1から10分の1に減額する手続きです。

借金は大幅に減額されますし、家や車を
手放す必要もありません。

しかし、借金額が少額の場合は認められ
ませんし、手続きが複雑で費用がかかります。

また、ある程度の定期的収入がないとできません。

自己破産の場合は、
裁判所の許可を得て、
すべての借金が免除されます。

無職、無収入や生活保護受給者でも申請
できるという利点もあります。

ただし、デメリットも非常に大きくなります。

家や車などの財産を手放すことになりま
すし、その他の制限もあります。

一部の職業に就くことが制限されたり、
資格の取得もできません。

ただし、これは永久的なものではなく、
裁判所の免責が出れば復権できます。

その期間はおおよそ半年程度です。

個人再生と自己破産は、普通の人が自分
でやるのは難しいので、弁護士に依頼す
ることになりますが、費用は30万円から70万円程度はかかります。

もう一つ、債務整理全般で、個人信用情報にも記載されます。

いわゆるブラック状態になるわけですね。

この他には、業者と再度話し合い、
返済方法の変更や減額を交渉
する、という方法もあります。

業者にしても、裁判にはお金も手間もか
かりますし、できれば穏便にという気持
ちはあるでしょう。

しかし、そもそも利息さえ払えない状態
では、その交渉も無理でしょうね。

裁判所からの通知の場合は、
異議申し立てをする
という方法もあります。

しかし、異議が認められる可能性は、
現実にはほとんどありません。

結び

借金を払えなくて滞納すると、まず督促
の連絡があり、そのまま延滞を続けると、
最終的には差し押さえ(強制執行)となってしまいます。

差し押さえの通告は、債権者の「差押予
告通知」と裁判所からの「支払督促(特
別送達)」の2つです。

「差押予告通知」の段階で、ある程度の
返済ができれば、差し押さえから逃れら
れる可能性は高くなります。

しかし、裁判所からの「支払督促(特別
送達)」が来ると、差し押さえの可能性
が大きくなります。

できれば、裁判所からの「支払督促(特
別送達)」より前の段階で弁護士に依頼
し、債務整理を行うべきでしょう。