借金

過払い金・債務整理のCMは怪しい?信頼できる事務所はどこ?

過払い金とか債務整理という言葉は、10
年前までは、聞いた事がある人はごく
少数だったでしょうね。

法律の専門家か、実際にそれを体験した
人以外は、なんのことやら見当もつかな
かったでしょう。

ところが、今はテレビのCMで
過払い金のCMが放映されているのです。

テレビのCMと過払い金や債務整理は、ど
うみても縁遠いように思えますが、実際
に頻繁にCMは流されています。

しかし、その過払い金や債務整理のCMを
うっている事務所は怪しいという人が
いるのです。

一体なにがどう怪しいのでしょうか?

その事務所に依頼しても大丈夫なのでしょうか?

今回は、そんな過払い金・債務整理の
怪しいCMと、信頼出来る事務所とはどん
な所なのかを見ていきましょう。

過払い金・債務整理のCMは怪しい?

アディーレ法律事務所がホームページに
出していた広告が、改正前不当景品類及
び不当表示防止法に違反していたというニュースがありました。

これは2017年10月のことでした。

同事務所が所属する東京弁護士会は、
事務所には2カ月間、創業者で代表の
石丸幸人弁護士には3カ月間の業務停止を言い渡したのです。

出典 ダイヤモンド オンライン

アディーレ法律事務所は、ホームページ
やその他のサイトで、で大々的に広告を
打っていることで有名です。

テレビでも、弁護士事務所や司法書士事
務所が、テレビやラジオで大々的に過払
い金請求をアッピールするCMが多いですね。

その評判ですが、

  • 「どうも怪しいな」
  • 「うさんくさい…」
  • 「本当なのかな?」
  • 「キャンキャンとうるさい」
  • 「あまりいい感じはしない」

と、過払い金請求のCMに対しては、あま
り良い印象を持っていない人が多いようです。

高いお金をかけて、大々的にCMを打つの
は、お金儲けのためにやっているとしか
思えない、ということですね。

では、過払い金請求での弁護士や司法書
士の報酬は、そんなに高額なのでしょうか?

過払金返還請求報酬の上限は、弁護士会、
司法書士会の規約で定められています。

弁護士会の過払金報酬金

第十五条

弁護士は、非事業者等任意整理事件につ

いて過払金報酬金を請求し、又は受領す

るときは、その金額を、回収した過払金

の金額を経済的利益として、当該経済的

利益に、二十五パーセント以下の範囲内

で規則で定める割合を乗じた金額を超える金額としてはならない

出典 日本弁護士会連合会

司法書士会連合会の過払金返還報酬の上限

第7条

代理人として過払金を回収したときは、

その回収した金額を経済的利益として、

その経済的利益に次の割合を乗じた金

額を超える額を過払金返還報酬として

請求し、又は受領してはならない。

(1)訴訟によらずに回収した場合 20パーセント

(2)訴訟により回収した場合 25パーセント

出典 日本司法書士会連合会

ということで、弁護士・司法書士どちら
の場合でも、返還された
過払い金の25%が最高です。

となると、弁護士・司法書士はそんなに
儲からないということになります。

本当でしょうか?

確かにボロ儲けというレベルではないでしょう。

しかし、過払い金請求では出廷や、裁判
所用の大量の書類の作成などはありません。

個人再生の場合の気の遠くなりそうな面
倒さと手間はないのです。

することは、金融業者から
取り寄せた取引履歴を引き直し計算し、
過払い金の額を調べることだけです。

つまり、弁護士・司法書士は、過払い金
請求では、1度に多額の報酬は得られなく
ても、比較的お手軽に数をこなせる、ということになります。

儲からないなどとということはあり得ません。

本当に儲からないのなら、多量のCMを流
す金銭的余裕はない筈です。

弁護士・司法書士事務所とそのCMへの評価は?

上記のアディーレ法律事務所についての、
ネットでの評価です。

尚、これはあくまでも、単なる噂や又聞
きに過ぎないものが大半で、
信憑性は決して高くないことをお断りしておきます。

手間がかかり、報酬が効率的に取れない内容は、敬遠されることもある

広告費を多くかけて、利益を追求している

業界では「債務整理のアディーレ」という見られ方をしている

決められたフォーマットで事務的に処理される

一般的な任意整理や過払い金の対応はスムーズ

弁護士はほとんど表に出ず、事務員とのやり取りが多い

弁護士の数がが多すぎて、能力にバラつきがある

懲戒処分での苦情がある

出典 yahoo知恵袋

もう一つ、司法書士法人新宿事務所の例
を見てみましょう。

「みなさまに非常に重要なお知らせがあります」

これがそのCMです。

独特の口調で印象的ではありますが、
うるさいとか押しつけがましいという苦情もあります。

新宿事務所とある依頼者とのトラブルで、
過払い金請求に関する裁判が行われました。

そしてその判決は、驚くべきものだったのです。

裁判所では、依頼者からの委任状を、職
権により洗いざらい調べたのですが、
偽造もしくは改竄の可能性が非常に高くなりました。

委任状の内容は全てステロタイプでほと
んど同じ、印鑑なども三文判、しかも
別人の名前の判が押されているものもありました。

それにより、新宿事務所の阿部代表らは、
裁判所から無権代理人とみなされたのです。

無権代理人とは、代理する権限(代理権)
がないにもかかわらず、
勝手に本人の代理人と称することです。

この場合は、依頼者の代理人とは言えなかったのですね。

したがって、そもそも
 債権者と交渉する権限もなかったわけです。

出典 ビジネスニュース

これは非常に極端な例ですが、
そのようなことも実際にあったのです。

過払い金請求とは?

過払い金請求とは、利息制限法の上限金
利を超えて支払ったお金を、貸金業者な
どから返してもらう請求を言います。

これは、法律で認められた、正当な権利です。

ただし、過払い金請求は
同じ貸金業者には、一度しかできません。

では、なぜ払いすぎがおこるのでしょうか?

お金を借入れる時の金利は、
法律で上限が決まっています。

現在は利息制限法により20%が上限で、
金額によっては15%や18%の場合もあります。

ところが、この法律には落とし穴があり、
「貸金業法」では20%が上限でした。

しかし、もう一つの法律「出資法」では、
年利29.2%まで可能だったのです。

そのため、2012年以前では大半の貸金業
者は、この29.2%で貸し出していたのですね。

この20%(あるいは15%、18%)と29.2%の
間の金利が、いわゆる
グレーゾーンと言われるものです。

自分が借金に過払い金があるかどうかは、
その借金に「グレーゾーン金利」が
含まれているか否かで決まります。

それには、「引き直し計算」をすることが必要です。

まず金融業者から取引履歴を取り寄せ、
引き直し計算をします。

この引き直し計算では、「利息制限法」
の利息以上に支払っていた利息を、
元金に充当していきます。

元金に充当して借金が減っていき、その
上で「借金がゼロになってからも支払い
続けていたお金」があれば、それが「過払い金」となります。

この過払い金請求は、元々払う必要のな
いお金を払っているのですから、それを
返せという請求は、完全に正当なものです。

しかも、この過払い金請求は、
ブラックリストに載ることもありません。

過払い金請求は、債務整理ではないからです。

単に払いすぎていたお金を、
返して貰うというだけのことなのです。

ただしこれは、過払い金が返ってきて借
り入れの残額が0円か、過払い金の方が
多い場合です。

過払い金が借金より少なければ、債務は
残りますので、ブラックリストに載るこ
ともあります。

しかし、その減った借金を返済すれば、
その恐れもありません。

このように、メリットの多い過払い金請
求ですが、難点は借金の金利が15%~20
%以上でないと過払い金は発生しないという点です。

つまり、2012年6月の出資法改正以降の
金利は15~20%が最高なので、
最近の借入には適用できないのです。

信頼できる事務所とはどんなところ?

過払い金請求のCMが、なぜこれほど多い
のかというと、前項で書いたように、
過払い金が発生することが、次第に減ってきているからです。

後10年もすれば、過払い金そのものが発生しなくなるでしょう。

一説では、弁護士や司法書士業界での収
入の半分近くが、過払い金請求と任意整
理などで占められているとのことです。

そのパイの最後の取り合いのために、CM
を打っているというのが、過払い金請求
のCMが多い理由でしょう。

前項では、過払い金請求は個人再生など
より簡単で、マスプロ向きと書きました
が、これはあくまでも「比較すれば」のことです。

過払い金請求でもそれなりの時間と手間
はかかります。

以下は本村弁護士がミヤネ屋に出演して
語った言葉です。

「弁護士、司法書士にも専門があるので、
あなたの相談したい分野の専門家に相談
するのが良いでしょう。」

「大手の大規模な法律事務所より、
個人で頑張っている事務所の方が良いと
思いますよ。」

(大意)

この本村弁護士は、行列ができる法律相談所にも出ていますね。

つまり、信頼出来る法律事務所とは、
誠意を持ってやってくれる事務所、
ということになります。

結び

過払い金・債務整理のCMは怪しいのか、
という件ですが、CMの評判は、

  • 「どうも怪しいな」
  • 「うさんくさい…」
  • 「本当なのかな?」
  • 「キャンキャンとうるさい」
  • 「あまりいい感じはしない」

などというものが多いようです。

やはり怪しいということでしょうね。

そこで、信頼出来る法律事務所とは、
誠意を持ってやってくれる事務所、
ということになります。