借金

借金のストレスを発散しないと病気になる?原因と対策は?

風邪は万病の元などと言いますが、借金
も万病の元らしいですね。

また、病は気から
という言葉もあります。

多額の借金があるということは、終始そ
の返済に追われている状態にあるということです。

これがストレスの原因にならない筈がありません。

心身症という病態名があります。

これはストレスがの蓄積により、身体に
疾患(病態)が現れた状態のことを言います。

毎日朝から晩まで、借金で悩む生活が、
心身に影響を及ぼさない筈がありません。

借金のストレスでうつ病になったという
話も、しばしば耳にしますね

そこで今回は、借金のストレスは病気の
原因になるのか、またその原因と対策な
どを見ていきましょう。

借金のストレスは病気の原因になる?

ストレスとは、人間が感じる精神的圧力
(プレッシャー)のことを言います。

この言葉は、苦痛や苦悩を意味する
「distress」が短縮されたものだそうです。

オーストリアのウィーン出身の研究者、
ハンス・セリエによって、「ストレス」
という言葉が世に広まりました。

このストレスは、実は有害とは限らず、
人間の精神的向上には有益に働く場合
もあります。

適度なストレスは、人間の記憶力を向上
させ、精神的な強さをもたらします。

とはいえ、過剰なあるいは深刻なストレ
スは、精神だけでなく肉体をもむしばみます。

借金の悩みが肉体と精神に及ぼす影響は、
その代表的なものでしょう。

借金がある人は、不安障害、うつ病や胃
潰瘍、心臓神経症などの病気になりやす
いというデータがあります。

これはアメリカでのデータですが、
通常の状態に比べて、

  • うつ状態になる傾向が約6倍
  • 深刻な不安を抱える状態が約7倍
  • 潰瘍や消化器官の病気になる傾向が約4倍
  • 心臓病になる傾向が約2倍

というレポートがあります。

この中で最も顕著なのがうつ病になりやす
いというものです。

借金とうつ病の関係は?

うつ病の患者はしばしば自殺に走ること
で知られています。

この程度のことで、そこまですることは
ないじゃないかと、普通の人は考えるよ
うなことでも、簡単に死に至るのです。

うつ病の症状にはこのようなものが多いのです。

精神的な症状

  • 抑うつ気分
  • 興味・喜びの喪失
  • 不安や焦り
  • 思考力・集中力の低下
  • 意欲の低下
  • 自分を責める

肉体的な症状

  • 疲労感・倦怠感
  • 食欲不振
  • 睡眠障害
  • 頭痛など身体の痛み
  • 動悸がする
  • 息苦しい

上のような症状が一つや二つあったとし
ても、必ずしもうつ病とは限りません。

たまたま幾つかそのような症状があった、
というだけなのかも知れないからです。

しかし、一つ二つでなく相当数に該当
る場合は、一応うつ病も念頭におく必要
があるでしょうね。

うつ病の原因は、現在の所完全には解明
されていません。

現在わかっている原因としては、「心理
的なストレス」、「脳内の変化」、「な
りやすい体質」の3つがあります。

この3つが単独ではなく、
それぞれに影響し合ってうつ病に
なると考えられているのです。

最近の研究では、強いストレスを受ける
ことで、脳の一部の神経細胞の形に変化が生じます。

それにより、感情や考え方に歪みが生じ
るのではないかと考えられるようになってきました。

その心理的なストレスには、借金苦も該当します。

しかも借金の悩みは、相当に強いストレスです。

これがうつ病発症の全ての原因ではない
にしろ、重要な要素であることは、
間違いないでしょうね。

また、うつ病の発症に遺伝子が関わって
いるかどうかは、今の所不明のままです。

しかし、親などの親族にうつ病の人が存
在すると、発症率は高くなることは判明しています。

これがうつ病になりやすい体質ということなのでしょう。

その対策は?

うつ病の対策は、これが特効薬というも
のはありません。

うつ病患者への周囲の対応で、このよう
にしたらよいと言われているものを挙げてみましょう。

  1. 本人の話を真剣に聞く
  2. 励ましや頑張れは厳禁
  3. 普段の行動では身辺整理などに注目する
  4. 本人に専門的治療を受けるように勧める
  5. 大元である借金の問題を解決するよう勧める

本人の話を真剣に聞くのは、時々ぽろり
と出る言葉に、自死を伺わせるものがあ
ったりするからです。

励ましや頑張れの言葉は厳禁です。

これはうつ病患者への対応では、
常識とされています。

また、普段の行動では身辺整理など、
危険な兆候がないかを注意します。

本人に専門的治療を受けるように勧める
のも常道ですが、本人は従わないことが多いですね。

大元である借金の問題を解決するよう勧
めるのは、当然ではありますが、本人に
してみればそれが出来ないから悩んでいるわけです。

ニワトリが先か卵が先か
の関係ですね。

うつ病の薬には、抗うつ薬が使われます。

SSRI、SNRI、NaSSA(ノルアドレナリン
作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ
薬)の3種類で新規抗うつ薬と呼ばれています。

また、うつ病の治療には薬の服用の他に、
認知行動療法が有効とされています。

現実の受け取り方やものの見方を認知と言います。

認知行動療法とは、その認知に働きかけ
て、こころのストレスを軽くしていく治
療法のことです。

具体的には医師によるカウンセリングな
どが主となります。

借金依存症もある?

借金の悩みは、通常は返済の悩みですが、
時には借金依存症という変わった悩みもあります。

借金依存症は依存症の一つで、
いつも借金をしていないと落ち着かない
という、風変わりな病気なのです。

この症状は借金ができないと不安になります。

買物依存症、ギャンブル依存症、
アルコール依存症などと似た病気ですね。

この症状の発端は、キャッシングやカー
ドローンで数千円程度の僅かな額を借り
入れることで始まります。

普通の人なら、少額の借り入れをするこ
とはあっても、これ以上は危険と感じた
ら、そこで借金はやめるものです。

しかし、借金依存症の人は、その後も
借り入れを繰り返すのです。

歯止めがきかないため、多重債務となり
やすく、最後には膨大な額の借金を背負
い込むことになります。

困ったことに、借金依存症では常に借金
をしていないと気が済まないので、極限
状態になってさえ債務整理をしようとしません。

対策としては、借金ができない状況にし
てしまうことが、最も有効です。

日本貸金業協会には「貸付自粛制度」
いう制度があります。

これは浪費癖のある人に、貸付をしない
ようにする制度です。

自ら申し出ることにより、一定期間の間は
申し込みをしても、業者に貸付を自粛して
もらうことができるのです。

もう一つは、クレジットカードを取り上げ
てしまうことです。

ただし、このどちらも本人が了承しないと
出来ないのが難ですね。

結び

借金のストレスを解消しないと病気にな
るというのは、本当のようですね。

過剰なあるいは深刻なストレスは、
精神だけでなく肉体をもむしばみます。

借金の悩みが肉体と精神に及ぼす影響は、
その代表的なものでしょう。

借金がある人は、不安障害、うつ病や胃
潰瘍、心臓神経症などの病気になりやす
いというデータがあるのです。

これはアメリカでのデータですが、通常
の状態に比べて、うつ状態になる傾向が
約6倍になるというものもあります。

うつ病には一応薬もありますが、うつ病
非常に治りにくく再発しやすい病気
いう定評もあります。

うつ病で特に怖いのが自殺で、この対策
は非常に難しいですね。