借金

借金返済で税金がかからない方法は?贈与税や遺産はどうなる?

借金を返済する時に、自分だけではどう
しても返せず、親に泣きつくということ
があります。

むろん、親にそれだけの資産がある場合
限定ですが。

お金持ちの家に生まれたというのは、
羨ましい限りですねえ!

この借金の肩代わりには、
税金はかかるのでしょうか?

これはかかるケースもあり、かからない
ケースもあり、やり方次第ということになります。

この点は遺産相続でも同様で、やり方に
よって随分と違ってくるのです。

つまり、贈与税も相続税も、扱い方と
金額によって、税金のかかり方には
大差が出る、ということになります。

そこで今回は、借金返済で親がかりの場
合、税金がかからない方法はあるのか、
贈与税や遺産はどうなるのかを、見ていきましょう!

借金返済で税金がかからない方法は?

借金の返済のために、親に肩代わりして
貰うと、贈与税の対象になることがあります。

例えば、120万円を親が支払うと、その
120万円から基礎控除を差し引いた金額
が贈与税の対象になります。

贈与税は他の税に比べて
かなり高率、高額なのです。

この例では金額があまり多くないので、
びっくりする程の額にはなりませんが、
高額の場合はぎょっとするほどの額になります。

なお、贈与税と相続税については、
後項で詳しく説明します。

なので、できれば贈与税の対象にならな
いよう(無論完全に合法的)な、
方法はないものでしょうか。

実は方法は幾つかあります。

一つは、方法というよりケースですが、
完全に債務超過になっている場合は、
親に肩代わりして貰っても贈与税の対象にはなりません。

ただし、この債務超過の状態は、返済が
ちょっと(或いはかなり)苦しい程度で
は、認められません。

収入はあまり多くなく、財産もほとんど
なくて、本当にどうしようもない場合の
みが、該当します。

つまり、自己破産一歩手前の状態で、
任意整理程度では追いつかないという状態ですね。

そのような状態はあまりありませんし、
あっては困ります。

もう少し一般的な状況の場合には、
「貰う」ではなく「借りる」という形態
であれば、贈与税はかかりません。

これは、あくまで一時的な立替払いであ
り、返済する予定のものですので、
生前贈与とは見なされないのです。

その代わり、例えば500万円を借りたとし
ますと、不幸にして親御さんが先立たれ
た場合、その500万円は財産とされます。

ですので、相続税にはその
500万円分も入ってしまうわけです。

これは贈与税を払った方が得なのか、
それとも相続税にした方が良いのか、
簡単には判断できませんね。

もう一つ、貸し借りの形にする場合には、
かならず契約書か借用書を作っておきます。

これがないと、税務署に調べられた時に、
贈与税の対象にされてしまいます。

そして、証拠が残るように銀行経由で、
毎月きちんと返済を行いましょう。

やむを得ず現金払いにする時には、
返済の都度領収書を貰っておきます。

また、借りる方がとても返済出来ない位
高額な貸し借りは、贈与とされます。

例えば、300万円の借金返済のために、
3000万円を貸したりした場合は、300万で
さえ自力で返せないのに、3000万は返済不能です。

これも贈与とされてしまいます。

贈与税はどうなる?

贈与税とは、他の人から現金や高額な品
物(家や宝石類など)を貰った時に、
かかる税金のことを言います。

贈与税がかかるのは、1年間で貰った財
産の合計額が110万円を超える時です。

この贈与税は、一人から貰っても、複数
の人から貰っても、合計が110万円を越
えればかかってきます。

なお、この110万円というのは、
基礎控除の額です。

贈与税が発生するのは、税金や借金の肩
代わりの場合が多いのです。

前項で書いたように、借金の肩代わりを
して貰っても、きちんと返済すれば
贈与税の対象にはなりません。

前項で書いたように、借金した人に財産
が全くない場合は、親が肩代わりした
贈与は全額非課税扱いとなります。

借金があり、財産も少しはある場合は、
かなり複雑になります。

かりに、借金をした人に500万円の財産が
あり、2000万円の借金のために、親から
2000万円を貰ったとします。

その場合は、500万円分については贈与税
がかかってきます。

つまり、その500万円分は返済能力ありと
されるわけですね。

また、親から借りたお金を返済していて
も、結局全額は返済しなかった場合は、
未返済の分は贈与税の対象になります。

また、返済途中で親が亡くなり相続になっ
た場合は、残りの借金部分は相続財産に
加えられ、相続税の対象になります。

贈与税の税率

平成28年以降の贈与税の税率は、
「一般贈与財産」と「特例贈与財産」
に区分されました。

特例贈与財産(特例税率)とは、直系尊属
(祖父母や父母など)から、直系卑属
(子や孫など)に送られた場合の税率です。

一般贈与財産(一般税率)とは、
特例税率以外の場合の税率です。

特例贈与財産(特例税率)の税率一覧です。

特例贈与財産(特例税率)

基礎控除後の課税価格 税率 控除額

200万円以下     10% -

400万円以下     15% 10万円

600万円以下     20% 30万円

1000万円以下    30% 90万円

1500万円以下    40% 190万円

3000万円以下    45% 265万円

4500万円以下    50% 415万円

4500万円超     55% 640万円

一般贈与財産(一般税率)の税率一覧です。

一般贈与財産(一般税率)

基礎控除後の課税価格 税率 控除額

200万円以下     10% -

300万円以下     15% 10万円

400万円以下     20% 25万円

600万円以下     30% 65万円

1000万円以下    30% 125万円

1500万円以下    45% 175万円

3000万円以下    50% 250万円

3000万円超     55% 400万円

遺産はどうなる?

借金については、贈与税と共に遺産にか
かる相続税も大きな問題です。

相続税については、借金とは関係のない
人も関心があるようで、ネットでも色々
と目にする機会も多いですね。

そこでこの項では相続税の節税について、
幾つかの例を挙げてみましょう。

  1. 生前贈与
  2. 相続時精算課税制度で収益不動産を贈与
  3. 教育資金贈与で1,500万円まで非課税
  4. 生命保険を活用
  5. 海外移住で相続税がゼロになる

生前贈与とは、年間110万円以内なら
贈与税がかからない基礎控除枠を
利用した節税方です。

これは毎年利用できるため、
長く使えばかなりの節税が期待できます。

相続時精算課税制度は、60歳以上の祖父母
や親から、子や孫への贈与については、
2,500万円まで贈与税がかからないという特例です。

ただし、1度これを利用すると、年間
110万円の基礎控除を利用した
生前贈与はできなくなります。

今後は生前贈与は行わないという場合に
のみ、利用すべきでしょう。

教育資金贈与
とは、教育資金の
一括贈与特例による制度です。

金融機関の教育資金贈与信託を使って、
子や孫に1,500万円までの範囲内で
教育費の一括贈与を行う方法です。

これにより、1,500万円の贈与をしても、
贈与税は無税です。

生命保険を活用した相続税対策とは、
「500万円×法定相続人の人数」迄
の保険金には相続税がかからないというものです。

加入年齢については、相続税対策用とし
て、90歳まで健康診断なしで加入できる
生命保険もあります。

海外移住で相続税がゼロになる方法とは、
タックスヘイブン国といわれる相続税が
かからない国に移住する方法です。

アジアでもシンガポールや香港は、
タックスヘイブン国なのです。

これらの国では相続税はゼロなので、
最大の節税が計れます。

しかし、国籍を移し、財産も移すという
のは、要は日本を捨てることで、
日本人でなくなります。

簡単にできることではありませんね。

結び

借金の返済を親に肩代わりして貰うと、
贈与税がかかってしまいます。

例外として、完全に債務超過になってい
る場合は、親に肩代わりして貰っても
贈与税の対象にはなりません。

ただし、少し返済が苦しい程度では、
このケースには該当しません。

収入はあまり多くなく、財産もほとんど
なくて、本当にどうしようもない場合の
みが、該当します。

贈与税の対象にならない例としては、
「貰う」ではなく「借りる」という形態。
であれば、贈与税はかかりません。

これは、あくまで一時的な立替払いであ
り、返済する予定のものですので、
生前贈与とは見なされないのです。

贈与税や相続税の節税対策としては、
各種ありますので、自分の状況に
あった方法で賢く節税をしましょう。